武蔵野五輪弾圧救援会

2021年7月16日に東京都武蔵野市で行なわれた五輪組織委員会主催の「聖火」セレモニーに抗議した黒岩さんが、『威力業務妨害』で不当逮捕・起訴され、139日も勾留された。2022年9月5日の東京地裁立川支部(裁判長・竹下雄)判決は、懲役1年、執行猶予3年、未決算入50日の重い判決を出した。即日控訴、私たちは無罪判決をめざして活動している。カンパ送先⇒郵便振替00150-8-66752(口座名:三多摩労働者法律センター)、 通信欄に「7・16救援カンパ」と明記

1月14日 第2回公判報告。検事側証人尋問、黒岩さんを取り押さえるのも業務か?

◆法廷に大型スピーカーを設置した

 1月14日(金)に武蔵野五輪弾圧裁判の第二回公判。黒岩さんが釈放されて以来はじめての公判です。傍聴に集まったのは、定員ちょうどの50人。前回、第一回公判で惜しくも抽選に外れてしまった仲間も、今回は傍聴できました。正面玄関をくぐったところの手荷物検査に加えて、法廷の前でも金属探知機を使った身体検査。ようやく法廷内に入っても、傍聴席のぐるりを六人の廷吏がとりまいて、あまり気持ちの良いもてなしではありません。

 法廷内には、耳の聞こえにくい黒岩さんのために、各席にマイクと中央に大型のスピーカーが置かれていました。あとで聞いたところでは、当日弁護団の要請により急遽設置されたとのこと。しばしばノイズがのりましたが、さいわいよく聞こえたそうです。

◆勝手に撮影されたビデオ…

 開廷すると、まずは検察側の提出した証拠のひとつである、当日現地を映したビデオの再生。武蔵野競技場のゲート前で「聖火」イベントに抗議する仲間のようすから、黒岩さんが爆竹を鳴らすところまで、映像音声ともハッキリくっきり映されています。また、場面に応じてズームなどの操作がされていることも見て取れます。弁護側の求釈明(証拠について説明を求めること)によれば、このカメラを操作してビデオを撮った人が誰なのか、検察はまだ明らかにしていないのだそうです!そもそも勝手に撮るなよ、ということもあわせて、気分が悪いです。

◆業務を妨害された「被害者」が、被告には「特に言いたいことはない」って…

 その次は、この日のメインイベントである検察側証人の証言。「威力業務妨害」の被害を受けた、ということになっているイベント会社「スパイダー」社のU氏が登場し、まずは検察側からいろいろと質問。現地では「イベントの運営統括」をしていたこと、その業務内容、爆竹が鳴って、U氏が黒岩さんをとりおさえたときのようすなど、おそらく打ち合わせどおりにとどこおりなく答えました。最後に、黒岩さんに対して思うことを聞かれると、「ケガ人もいなかったし、特に思うことはない」とのこと。ちょっと意外でした。

 ひきつづいて、U氏に対する弁護側からの尋問。U氏の管理下に「ディレクター」、「セキュリティスタッフ」、「庶務」などの人員がいたこと、これらスパイダー社のスタッフ以外にも、当日の会場には複数の組織の人員がいたことを証言しました。スパイダー社に仕事を発注して、業務の指示をしていた元請けの会社については、名前を言いたくないようで「上の会社」のように濁していましたが、「電通とかですか?」と弁護士に聞かれると、「そうです」とのこと。また、当日何度もゲートの外に出ていたこと、黒岩さんをとりおさえたことも業務の一環だと認識していることなどを証言。

 最後に弁護側から証拠と証人を請求しました。請求した5人のうち、当日現地にいた目撃者が、次回公判で証言することになりました。

 次回公判にも、ぜひ結集を!

2月7日(月)午後1時30分集合、東京地裁立川支部。公判は午後3時~。

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威力業務妨害罪被告の二人
傍聴に来てくれた尾澤孝司さん(韓国サンケン労組を支援する会)と黒岩さん