武蔵野五輪弾圧救援会

2021年7月16日に東京都武蔵野市で行なわれた五輪組織委員会主催の「聖火」セレモニーに抗議した黒岩さんが、『威力業務妨害』で不当逮捕・起訴され、139日も勾留された。2022年9月5日の東京地裁立川支部(裁判長・竹下雄)判決は、懲役1年、執行猶予3年、未決算入50日の重い判決を出した。即日控訴、私たちは無罪判決をめざして活動している。カンパ送先⇒郵便振替00150-8-66752(口座名:三多摩労働者法律センター)、 通信欄に「7・16救援カンパ」と明記

女性は、異性に体を触られる恐怖を感じることなく裁判にかかわれないのか? セクハラ退廷に抗議・要請を申し入れ

5月18日、私たちは東京地裁立川支部に、女性も安心して裁判にかかわれることを願い、4月20日のセクハラ退廷に対する抗議・要望書を提出しました。1か月後に回答するよう求めています。

セクハラに鈍感な裁判官・裁判所がどんな回答をよこすのか、それとも人民を裁くくせに自分たちのセクハラ行為にはケツをまくるのか?? 続報をお待ちください。

 

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               2022年5月18日

東京地方裁判所立川支部御中

 

            武蔵野五輪弾圧救援会

      武蔵野五輪弾圧5.18公判傍聴者有志

 

 

    抗議・要請文

 

 4月20日15時から、東京地方裁判所立川支部101号法廷(竹下雄裁判長)で、第5回武蔵野五輪弾圧の公判が行われた。傍聴者は、裁判所に入る前に体についている金属製品と荷物をチェックされ、さらに法廷に入る前に荷物を預けさせられた上に金属探知機で体をチェックされた。法廷には6人の男性廷吏(法廷警備員)がいた。

 裁判では、2021年7月16日に武蔵野陸上競技場で行われた調布・三鷹武蔵野市東京五輪「聖火」セレモニーの終了直後に爆竹を鳴らして五輪・「聖火」に抗議して逮捕され威力業務妨害罪で起訴されたKさんが、無罪を争っている。セレモニーの一部を孫請けした株式会社スパイダー・U氏への業務妨害で公判が進んでいるが、Kさんが抗議したのはスパイダーではなくセレモニー主催者の東京都と東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会である。そこで武蔵野五輪弾圧弁護団は、武藤敏郎東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会事務総長の証人尋問を求めていた。しかし、第5回公判で被告人質問の終了後、竹下裁判長は、武藤敏郎を証人として採用しないことを告げた。

 「セレモニー業務の責任者である武藤事務総長の意向が反映されずに判決が書かれてしまう」との危機感を持った女性傍聴者1名(Aさん)が、裁判官らの決定に異議を唱えた。すると、竹下裁判長は、傍聴席で話したことを理由にAさんに退廷を命じた。退廷に納得できないAさんが異議を訴えていると、竹下裁判長の命令で、101号法廷にいたすべての廷吏がAさんを取り囲んだ。Aさんが、女性の体を男性職員が触ることはセクシャルハラスメントなのでやめるよう訴えたが、裁判長らはまったく聞き入れず、取り囲んだうちの4人の男性廷吏がそれぞれAさんの手・足一本ずつを抱え上げ法廷の外に運んだ。

 セクシャルハラスメントは日本語で性的嫌がらせと訳されており、生物学的・社会的な性差を理由とする差別的取扱いをさす。本人の意に反する性的言動を行うことである。

 法廷では、裁判官の命令は絶対である。退廷は許せるものではないが、強制的な退廷を命ずるとしても、女性傍聴者の身体に接触する行為を女性廷吏に対応させる判断をするべきだったはずである。男性廷吏が行うことを前提に強制的退廷命令を裁判長が言い渡すのは、女性に対しては実質的には性的嫌がらせ命令となる。男性が退廷になる場合には感じなくてすむ異性に体を触られる苦痛を女性だけが受けなければならないのは、女性差別である。

 セクシャルハラスメントの被害・加害者は性別を限定されていないが、加害者の多くは男性であり、被害者の多くは女性である。社会や家庭で優位な立場にあることが多い男性が、女性の意思・声を踏みにじることが許されてきた。今回の暴力も、高い地位・優位な立場にいる男性裁判長が法廷内で支配下にある女性傍聴者にセクシャルハラスメントしたことは、社会の縮図といえるだろう。

 私たちは、法の番人たる裁判官らが、人権への配慮を怠り、公権力を行使して、Aさんの「やめて」との訴えをきかずに堂々とセクシャルハラスメントを実行したことに強く抗議する。Aさんへの謝罪と、すべての人が性・身体・人種・信条などを理由に裁判所内で差別されないようにすることを求める。

 

 私たちは、東京地裁立川支部に対して以下3点を求める。2022年6月17日までに上記宛先まで、どのように対応するかを回答してください。

1、Aさんにセクシャルハラスメントをしたことを謝罪してください。

2、裁判官は、異性の体に接触することを職員に対して命じないでください。

3、裁判所職員は、異性の体に接触するのをやめてください。

 

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