武蔵野五輪弾圧救援会

2021年7月16日に東京都武蔵野市で行なわれた五輪組織委員会主催の「聖火」セレモニーに抗議した黒岩さんが、『威力業務妨害』で不当逮捕・起訴され、139日も勾留された。2022年9月5日の東京地裁立川支部(裁判長・竹下雄)判決は、懲役1年、執行猶予3年、未決算入50日の重い判決を出した。即日控訴、私たちは無罪判決をめざして活動している。カンパ送先⇒郵便振替00150-8-66752(口座名:三多摩労働者法律センター)、 通信欄に「7・16救援カンパ」と明記

腰痛になってしまった…五輪コロナ禍の獄中よもやま話/立川拘置所編 その3

◆腰痛になってしまった
 それにしても、拘置所に入ってからは慣れないことばかりだった。まず、日用品・書籍の購入。何曜に願事(願箋)を出すと、それがいつ手元に来るのかちんぷんかんぷん。なのに、10月6日、2週間経って慣れてきたという理由で、拘置所生活や手続きが書かれた手引きが取り上げられ、すぐにB棟4階25房に移った。転房を言い渡された時、「まさか自殺予防用の監視カメラが天井にある第2種房ではないだろうな」と気構えたが、そうではなかった。
 それにしても、拘置所の生活や手続きは2週間では覚えられない。救援ノートのおかげもあったが、完全に把握するのにはもう少し時間がかかった。
 まずは、日用品購入。必要最低限度の物を買うのにも金曜に願銭(願事)を出して月曜受付(通常願事は翌日受付)、次の週に入ってくる。マークシート方式で、同じ数字を塗りつぶしたらアウトである。で、耳掻きを3本も買っちゃった。日用品は、石鹸・水にも溶けるティッシュ・衣類など生活に最低限必要なものは一通り揃っている。自動髭剃り器まである。切手と封筒もあるのだが、これも色々制限があって、使ったのは釈放される前に3、4回だけだった。
食品はおやつと飲みものだけ。休日にはおやつも出るし、毎日麦茶が配られたから購入しなかった。書籍は、頼んだ本はほとんど入ることに驚いた。願箋は水曜で、受付は木曜、それは問題ない。が、用紙に「最新巻と何月何日発行は同じもの」と書いたらアウト。岩波書店の「世界」の同じ号が2冊入っちゃった。
 一番困ったのは文書の宅下げである。接見禁止がついている私だが、誰でもいつでも私に本を差し入れることはできる。が、個人に宛てた私書のやり取りはできない。文書の宅下げはは本の宅下げと同じく月曜願箋、火曜宅下げなので、毎日セッセセッセと書いていた意見陳述や外へのメッセージ、個人宛私書など、毎週月曜が作家や漫画家のごとく締め切り日だった。これを言うと今後拘置所に警戒されてしまうだろうが、私書のやりとりはできないてもまったく同じ文章を本や雑誌などに載せる原稿形式ということにすれば外に出せる。私は、それに気づいてからは毎日のように四角いちゃぶ台の前に座り文章を書いていた。しかし、初公判前にはすっかり腰痛が悪化してしまった。

f:id:kyuenmusasino:20220331085347j:plain

立川拘置所の房内